T-3の操縦席は飛ばしたことが無い機体の中では一番座った座席の一つです。
フライトシミュレータがインスコされているPCの前の椅子を除きますがねｗ

今までは防秘とまではいかないまでも軍用機の機内をインターネットに流出させるのはいかがなものかと思って自粛してきましたが、退役して4年が経った今、それほどの問題は起きないかと思いアップすることにしました。

まずは前席のメインパネル。普通のT型配置で珍しいところはありませんが、左側のラジオパネルがチャンネル式になっており軍用機らしさを感じさせます。また、欠落しているものの右上のGメーターもそれっぽいですね。
プロペラが可変ピッチなので、タコメーター（RPM)に加えてマニホールドプレッシャー（MUN)や低翼機ならではのフュエルプレッシャーゲージなどが装備されています。航法計器はTACANとVORが装備されており高級な機体である事を教えてくれます（笑）
操縦桿は右手で握るので若干左を向いていますが、その向き方が他の軍用機より角度がついているように見えます。
一番軍用機らしいのがスターターをクランキングさせるときに鍵が要らないことですかねｗ一番右にボタンがあります。

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パネル左側、ラジオ関連。
左の上のつまみがオンオフと送信先、その下のつまみがガード（121.5）かプリセットのチャンネルへの送信かマニュアルか。プリセットのつまみが真ん中の一番大きいダイヤル、マニュアルは下に周波数が表示されています。
その下がTACAN、これもチャンネル式です。プリセットがあるなんて高級機ですなｗ
なにせ人間選局は無料なんていわれていたものですから羨ましくなっちゃいます。
気になるのは赤いカバーがかけられたスイッチ。エマージェンシーギアみたいですが、脚下げは普通ありますが脚上げのスイッチがあるのは珍しいと思います。
左下にちょっと見えているレバーが通常のギア昇降ハンドルです。

左側のパネルです。
付いているものはシンプルなのですが、一枚の面にまとめられなかったんですかね～？
右上の黒いレバーがスロットルで頭にVHF送信用のボタンが付いています。右の白いレバーはプロペラのピッチでしょうか。

下の赤いレバーはフュエルシャットオフバルブで緊急時に閉じるものです。フュエルセレクターはギアハンドルの下ですね。真ん中の押せば警報が消えるとの記述は恐らくですがギアがアップの時にスロットルを絞ると警報がなる機能を解除するためのものだと思います。
トリムはエレベータに加えてエルロンとラダーまであり、とっても高級です（笑）もっとも340hpもあるエンジンですから、ラダートリムがないと操縦できないのでしょう。
フラップはアップとダウンしかありませんが、任意の位置で設定するタイプでしょうか？

右側のパネルです。
練習機らしく曲技飛行時のエントリー速度が丁寧に記述してあります。
T-3はA類なのでヒップストールを除く曲技飛行が全て可能です。
いやぁ、楽しそうですなｗ
ブースターポンプは低翼機なので燃料の供給を助けるために入れると思うのですが、普通は飛んでいるときはengine drivenになると思いますので、万一エンジンフェイル時にelectric drivenでバックアップする為の措置でしょうか。

右の白い紙はマグネティックコンパスの偏差を示す紙で、フライトプランを作る時に参照します。機体の磁気の癖は各機固有のものなので、例えば東を向いた時に磁気コンパスが091度を指すようですと-1分修正しなければいけません。それ以外にも真北と磁北、偏流修正などいろいろあります（汗
左上のトグルスイッチはスターターとプライマー。今の車にはプライマーなんで昔話ですが、今でも農耕用機器などにはプライマーがありますよね。エンジンを掛ける時に先に燃料を送り込んで「景気付け」させるものです。

下のほうに行きまして・・・
赤いレバーは緊急脚下げのレバー。よくある数十回回せばギアが手動で降ろせるタイプです。
下にはバッテリースイッチのほかライト関係のスイッチが並んでおり、輝度も調整できる高級仕様。

航空雑誌の操縦席紹介では質素やら最低限やら散々な言われようだったT-3の操縦席ですが、君達は本当に最低限しか付いていない操縦席を知らない！（笑）

右側パネルの後ろ半分はサーキットブレーカー関係です。
車で言うところのヒューズですが、飛行機ではいくら負荷が掛かってヒューズが飛んだからと言ってヒューズの交換などしている余裕は飛行中ありませんので、万一機器への電気を遮断せざるを得ない状況になったらボタンのようなブレーカーが飛び出る仕組みになっており、押し戻せば再使用できるようになっています。



後席パネルも前席と同じような仕様ですが、Gメーターがマグネティックコンパスと並べて装備されている点が異なっています。（写真では取り外されています）


いやぁ～、VORが二機も積んであるなんてなんて高級な機体なんでしょう（笑）